【解説】ECサイトの売上拡大に必要な4つのポイント

 2024.08.21  株式会社DGコマース

近年、企業のIT投資戦略において、顧客とのタッチポイントのデジタル化が存在感を増してきています。小売業においては、例えばAmazon GOのような無人店舗やAIの画像認識による顧客の店舗内での行動の分析など、実店舗のスマート化が新しい取り組みとして注目を集めていますが、それに関連してECサイトが単なるデジタル上の販売チャネル以上の意味合いを持つようになってきており、デジタルを活用した顧客エンゲージメントを高める一連のプロセスの中心になってきています。

しかしながら、全ての企業で同じようなECサイトが求められているわけではありません。例えば実店舗を持っている企業と、EC専業の企業では求められる機能は異なります。そして、求めるものが異なれば当然、最適なECサイトの構築方法も異なってきます。

今回は、皆様の運営されているECサイトにどのような機能が必要か解説していきたいと思います。 

ECサイトの売上はまだまだ伸びる

【解説】ECサイトの売上拡大に必要な4つのポイント

EC業界の市場規模は毎年右肩上がりで成長を続けており、現代ではECサイトでの消費行動は既に一般化しています。市場は成熟しており、既に伸びしろは少ないと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

EC市場を考えるうえで重要な指標のひとつに、全商取引におけるECが占める割合を示す「EC化率」があります。世界のBtoC-ECにおけるEC化率は約2割程度とされていますが、日本国内のBtoC-ECのEC化率は2022年時点で9.13%と1割に満たない状況です。

出典:経済産業省「令和4年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)

もちろん、業界・業種による偏りは見られますが、世界と比較すると日本のEC化は遅れている状況であるため、今後まだまだ市場が成長する余地はあると言えるでしょう。

成長し続ける市場においては、企業は売上を拡大できる可能性も大いにあります。しかしその反面、新規参入企業や競合となる企業も増えるため、競争優位性や独自性を発揮して売上拡大に繋げる戦略・施策が必要不可欠です。

当記事では、ECサイトの売上拡大のポイントから実際の施策まで、事例を交えてご紹介していきます。今後のECサイトの戦略・施策について検討している方は、ぜひご参考下さい。 

ECサイトの売上を増やすポイントとは?

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ECサイトは、商品・サービスを販売するWebサイトのことですが、Webサイトと考えるよりもインターネット上に設けた仮想店舗と考える方が妥当であると言えます。そのため、ECサイトの売上を増やすには、リアルの店舗と同じように集客の方法や客単価・リピート率等といった経営上の数字を把握して、地道に検証・改善を施していく必要があります。

ECサイトの売上を考える際には、以下の数式を用いることが基本です。

「売上」=「来店者数」×「客単価」×「購入率」×「リピート率」

上記の各項目を全てかけ合わせた結果が売上となるため、伸びしろがある項目や数値が低い項目に改善施策を施すことで、売上増に繋げることができます。

ECサイトの売上を増やす際には、イメージや先入観で施策を実施しても、思うような効果が得られず検証もできません。効果的・効率的に売上を増やすには、上記でご紹介したように数値を把握・分析しながらアクションを起こしていくことが非常に重要です。 

【ポイント1】来店者数を増やす

ECサイトの売上拡大ポイント1.来店者数を増やす

ECサイトで売上を上げるためには、いかに来店者数を増やすかが最初のステップです。

ECサイトは実店舗のように特定のエリアが商圏となるのではなく、日本国内全域、または海外も商圏となることが最大の特徴です。商圏を気にせず商品やサービスを販売できることがECサイトのメリットですが、インターネット上では数多くの競合サイトが同じ土俵で集客を行っているため、自社のECサイトの来店者数を増やすには、Webマーケティングを実施する必要があります。

Webマーケティングによる集客にはコスト・時間・リソースが必要となるため、非効率な施策を行うと売上は上がっても利益率が下がってしまいます。そのため、「集客コストを抑えて効率よく来店者数を増やす」施策を追求することが重要なポイントです。

ECサイトの来店者数を増やす各施策と実施上のポイントについて、以下にご紹介していますので、ぜひ参考にしてみて下さい。 

SEO対策

ECサイトに訪れるユーザーは、GoogleやYahoo!といった検索エンジン経由が多くを占めます。そのため、ECサイトにSEO対策を施して、少しでも検索上位に表示されたりクリックされやすくしたりする施策を行うことが非常に重要となります。

ECサイトは商品点数やサイトの規模によりSEO対策の効果はある程度のラインで頭打ちとなりますが、ニッチな商品や競合の少ない商品であれば、上位化に繋げられるケースも多くあります。

ECサイト自体に施すSEO対策以上の成果を求める場合は、時間と労力は必要となりますが、別途オウンドメディアを作成してコンテンツマーケティングを実施すると、高い集客効果や顧客のファン化が期待できます。

また、楽天・Yahoo!ショッピング・AmazonといったECモールに出店している場合は、モールの検索ウィンドウからのアクセスも少なくないため、モール内のアルゴリズムに合わせて上位化を狙う「モール内SEO」を施すことも効果的です。

SEO対策はWeb広告のように集客コストで利益を圧迫しないことが最大のメリットです。長期的な運用が必要ですが、一度施した施策は長期間効力を発揮してくれるため、可能な限り実施しておきましょう。

検索連動型広告やSNS広告

ECサイトの集客施策はSEOと合わせてWeb広告が主な施策となりますが、SEOは効果が出るのに時間と労力を要するため、コストは掛かりますが即効性があり状況に応じて出稿できるWeb広告の活用が欠かせません。

ECサイトで活用されるWeb広告には、以下が挙げられます。

検索連動型広告

検索エンジンのSERP(検索結果画面)に表示される広告です。細かいターゲティングやデータ分析が可能で、ECサイトで活用されるWeb広告の要(かなめ)となる広告です

SNS広告

SNSプラットフォームに配信できる広告で、若い世代へのアプローチや自社ECサイトに興味・関心が高そうなユーザーをターゲティングした配信に適しています。

Web広告のメリットは、運用次第では高いコストパフォーマンスを発揮できる点です。きめ細やかなPDCAを回せば、投下した集客コストに見合った成果を得ることができます。

Web広告の運用を自社で行うことが難しい場合は、ネット広告運用代理店に運用を任せることも可能です。 

リターゲティング広告

リターゲティング広告とは、上記でご紹介したWeb広告に付随する機能で、一度自社ECサイトに訪れたユーザーに対して、他のWebサイトを訪問した際に自社の広告を表示して、再訪問や購買を促す広告のことです。リターゲティング広告は詳細なターゲティングや設定が可能となっており、適切な設定を行うことで高い効果を発揮できることが大きなメリットです。

特に、ECサイトは「カゴ落ち」と呼ばれるサイトに訪問したものの購買に至らないユーザーの割合が7割を超えていると言われており、競合サイトとの比較検討中のユーザーや購入を迷っているユーザーが多い傾向にあります。リターゲティング広告は、このような潜在顧客をターゲッティングしてプッシュできるため、一般的なWeb広告の出稿よりも効果を得やすいことが特徴です。

Web広告は活用しているけれどもリターゲティング広告の有効活用はできていないECサイトは多いため、見直しを行うことで集客コストの削減やコストパフォーマンスの向上を図ることができます。 

キャンペーンの実施

ECモールでは、年中何かしらのイベントやキャンペーンが実施されており、大きな賑わいを見せています。

ECモールに出店しているECサイトはモールのイベント・キャンペーンに参加することで来店者数増加や認知度向上を図ることができますが、自社ECサイトにおいても独自のイベントやキャンペーンを実施することで、高い効果を得ることが可能です。

イベント・キャンペーンのアイディアとしては、例えば以下のようなものが挙げられます。

  • 送料無料キャンペーン
  • クーポン配布キャンペーン
  • 季節のイベント
  • セールキャンペーン
  • プレゼントキャンペーン

重要なポイントは、自社ECサイトの目的・顧客・商材に合わせて効果が期待できるキャンペーンを実施することです。過剰にイベントやキャンペーンを開催してしまうと、サイトの信頼性やブランド力が低下したり、イベント・キャンペーンでしか集客できなくなったりするため注意が必要です。

一時的な来店者数増加や認知度向上ではなく、ファンやリピーターに繋げるなど自社ECサイトにとってメリットのあるイベントやキャンペーンを企画するようにしましょう。 

集客コストを抑えるには?

ECサイトの集客コストを抑えるには?

ECサイトの平均客単価は5,000円未満となることが多く、集客コストをかけすぎると利益率が低下して、売上は上がったものの利益が残らなかったり赤字に転落したりしてしまいます。

そのため、繰り返しになりますが集客コストを抑えつつも効果的な集客を行うという、難易度の高い戦略・施策の実施がECサイト運営には求められます。

集客コストを抑える方法は数多くありますが、具体的なイメージを掴むためには実際の事例を参考にする方法がおすすめです。ここでは、集客コスト低減のヒントとなる事例を3つご紹介します。 

老舗ふとんメーカーA社の場合

A社は老舗のふとんメーカーです。これまで直営の実店舗で自社製品を販売していましたが、売上がここ数年横ばいなので、売上拡大を目的にECビジネスに参入することを決めました。

このケースですと、老舗のメーカーなのでブランドの知名度は高く、Googleなどの検索エンジンからのサイトへの流入が期待できるだけでなく、実店舗があるので接客やチラシやPOPなどを活用しECサイトへの誘導も行うことができます。「近くに店舗がなかったので買ったことなかったけど、ECで買えるならA社のふとんが欲しい」という目的買いすら期待できます。

この場合、ブランドという既存の資産を活用することができるので、ECサイトへの集客コストは小さく抑えられると考えられます。つまり、集客コストを抑えているのはそのブランド力の高さになるので、ECとしてはそのブランドイメージを毀損させない、むしろさらに高めるという観点で運営できるということが、A社のECサイトに求めるものになるでしょう。

ブランドイメージを高めるためにはブランドのストーリーを表現するコンテンツが重要となります。ECサイトとしてはコンテンツを容易に編集する機能が求められます。ECサイトのCMS機能については、こちらでも紹介しておりますので、合わせてご覧ください。

SI Web Shopping CMSオプション

有名お菓子メーカーB社の場合

次に、お菓子メーカーのB社のケースについて考えていきたいと思います。

B社は老舗のお菓子メーカーで、B社のお菓子を食べたことのない人はほとんどいない、というくらい日本国内に浸透しています。B社のお菓子は卸売業者を通し、小売店に卸され、一般消費者に販売されます。

B社は、消費者に向け直接販売することで中間コストをなくした新たなビジネスを立ち上げることにし、ECサイトを構築することにしました。この新しい直販モデルでは既存の販売チャネルへの影響を考慮し、これまでのブランドの商品は販売せず、このビジネスモデル用の全く新しいブランドを別会社で立ち上げて新ブランドの商品のみ販売することになりました

この場合、新しいブランドの立ち上げになりますので、まずお客様に認知してもらわないことには自社のECサイトに訪れてもらうことはできません。ここで考えられる選択肢としては、自社でブランドを認知してもらうためのプロモーションを積極的に行うか、Amazonや楽天市場といったようなモールに出店することが考えられます。

まず前者のブランド認知のためのプロモーションについて考えていきたいと思います。
潤沢な予算があるのであれば、巨額のプロモーション費用を投下し、例えばTV CMなどを活用して一気に認知を取っていくこともできますが、「集客コストを抑える」という観点においては、いきなりTV CMを流すよりも、SNSを活用したプロモーションやキャンペーンを展開し、一定のブランド認知を獲得した後に実行するというやり方になるでしょう。その場合、キャンペーンページの立ち上げや各種プロモーション用のコンテンツの作成・公開を柔軟かつ素早く行えることがECサイトの機能として求められます。また、キャンペーンやTV CMの放映によって急激にサイトへのアクセスが増加する可能性があります。サーバが落ちないように、大量のトラフィックに耐えられる仕組みが欠かせません。

後者の楽天市場やAmazonといったECモールに出店するケースについて考えていきます。モールにはすでにたくさんのお客さんが来店される仕組みがあるので、モールまでの集客コストは気にする必要は一見ないように思えます。しかし、モールに出展し販売を行うと売上に対し一定の販売手数料(システム利用料)が発生します。この販売手数料にモールまでの集客コストが含まれているというわけです。

また、モール内には自社以外のたくさんの商品が出品されているので、同カテゴリの商品間での競争に勝たなくてはなりません。モールのサイト内広告を利用する場合は、販売手数料に加えた集客コストが必要となります。モールに出品する場合、自社ECサイトを一から立ち上げるよりも容易にスタートすることができるので初期コストを抑えられますし、大量のアクセスに対応するためのインフラコストも考慮する必要はありませんが、自社の商品ページまでの集客コストという観点においては一概に安価であるとは言い切れません。ECモール内での集客コストを抑えるには、システムの機能面ではなく、製品戦略や価格戦略、品質の高いバナーなどのクリエイティブを用意するプロモーション戦略がポイントになると言えます。

また、販売チャネルを拡大するという観点では、複数のECモールに同時に出品することも検討する必要があります。ただし、出品先が増えれば増えるほど、管理の手間が煩雑になります。一般的にはモール連携サービスを利用し、一括管理を行うことで少ない手間で複数の販売チャネルを活用するという手法が選択されます。 

モール連携サービスについてはこちらでご紹介しています。
楽天・Yahoo!・Amazon モール連携機能

新アパレルブランドを展開するC社の場合

若手デザイナーが独立し立ち上げたC社のケースについて考えていきたいと思います。

C社は「エレガントなのに、自分らしく自然でいられるルームウェア」をコンセプトとした自社ブランドのアパレル製品を製造販売しようとしています。ブランドの世界観を直接ユーザに届けるために、直販のみでの販売を検討しています。

この場合、何もかもが新しい取り組みになるものの、大きな資本があるわけではないので、とにかく低コストで集客を行わないとなりません。低コストかつ、ブランドのイメージを届けることを考えると、やはりSNSを積極的に活用することになるでしょう。ブランドの魅力を伝えることのできるクオリティの高い写真を投稿する必要はありますが、集客という観点においてはECサイトに求めるものはあまりないと言えます。強いて挙げるならば、A社のケースと同様にブランドイメージを毀損させず、むしろ伸ばすデザインがECサイトに求められることになります。

【ポイント2】転換率(購入率)を高める

ECサイトの売上拡大ポイント2.転換率(購入率)を高める

転換率とは、ECサイトへアクセスしたユーザーが商品を購入する割合のことです。マーケティング用語では、CVR(コンバージョン率)と呼ばれています。

転換率はECサイトの販売効率そのものであり、例えば100人中1人しか購入しないサイトと100人中3人が購入するサイトでは、同じ集客コストをかけた場合では得られる成果に3倍の差がつきます。転換率が低すぎると、いくら集客に時間や労力、コストを投下してもザルで水を掬うような状態となってしまうため、他の施策の効果性を発揮するためにも、転換率を高めることは非常に重要です。

転換率を高める施策には、ECサイトのデザイン改善・ユーザビリティ改善・訴求方法の改善などさまざまな方法がありますが、重要なポイントは「データを基にPDCAを繰り返す」ことです。数字は嘘をつかないため、こまめに分析・確認・改善を行うことで、手堅く転換率を伸ばすことができます。

以下に、指名買いの多い有名チョコレートブランドDが実際に行って成果に繋げた取り組みを例に、転換率向上施策の概要・方法をご紹介していきます。 

コンテンツの整理とA/Bテスト

ECサイトの転換率を高めるためには、訪れたユーザーの購買意欲を高めるために、コンテンツや商品を充実させることがまずは重要です。それと同時に行わなければならないのが、「不要な離脱を防ぐ」ことです。ユーザーが商品を認知してカートで購入するまでの導線において、不要な離脱を防ぐことができれば、相対的に転換率は向上するためです。

上記2つの点に留意しつつ、ECサイトのデザイン・構成・ユーザビリティ・コンテンツ・商品等を見直していくことが、転換率を高める現実的な施策となります。また、転換率を高める施策は体感・イメージで行うのではなく、実際のデータを用いて根拠のある打ち手を打つことも非常に重要です。それには、A/Bテストを実施することが効果的です。

A/Bテストとは、複数のパターンでテストを行い、結果が良いものを採用するというもので、PDCAサイクルと非常に親和性の高い施策です。ECサイトの転換率向上施策においても、地道にA/Bテストを繰り返してベストなパターンを模索することが、時間と労力は必要となりますが確実な成果へと繋げる近道となります。

チョコレートブランドDでは、ECサイトに訪れたユーザーが「どこに」「どのような」情報があるのか一目で分かるようにナビゲーションメニューやコンテンツの整理を行い、サイト内の回遊性を高めて離脱を減らすことで、指名買い顧客はもちろん口コミで訪れた顧客も含めた転換率向上に成功しています。 

入力フォームの最適化(購入フローを簡単にする)

目的の商品まで素早くアクセスできたとしても、会員登録や購入フローが煩雑だとそこで離脱されてしまう可能性があります。特に今回のケースでは、指名買いが多いことが想定され、購入に対するモチベーションが高い状態ではありますが、ピンポイントでのプレゼントを目的に利用されることが多いと考えられます。日常的に買うわけではなく、ただ一度買えればいいのです。この場合、購入方法が簡単でないと「今回だけなのにこんな面倒くさいことやってられない」となってしまう可能性も高いと言えます。

実際「カート落ち」という言葉があるくらい、カートに商品を入れたまま購入に至らないユーザは少なくありません。プロモーションのコストを投じ、購入の後押しとなる優れたコンテンツを作成するコストを投じたにもかかわらず、最後の購入する段階で離脱されてしまうほど悲しいことはありません。

例えば「全角でしかフォーム送信を受け付けない住所入力画面」があったとします。これは、連携先のシステムの都合などで半角文字の送信を制限していると考えられますが、ユーザの立場からすると知ったことではありません。長々と名前や住所など個人情報の入力が終わり送信のボタンを押した後にたくさんのエラーが出てしまうと、「もう面倒くさい」「不親切だ」などのネガティブな感情を抱かれてしまい、離脱されてしまうかもしれません。

入力した直後にエラーとして表示してもらえるならまだしも、全てのフォームの入力を完了し「次へ」のボタンを押した後に大量のエラーが表示されたとなるとユーザのストレスは相当なものとなります。一昔前だと、エラーという表示が出るだけでなく、入力内容が全て消えてしまうサイトもありましたが、そのレベルのECサイトはもう存在しないと信じたいところです。 

このように情報の登録画面であるフォームでの離脱を防ぐには、

  • エラーの値が入った場合は、すぐにわかるようにする
  • 全角でも半角でもOKにする
  • 後どれくらいの入力項目が残っているかを表示する

などの対策が有効です。

これらの対策を実装するには、こういった入力補助に特化したEFO(Entry Form Optimization)ツールを採用するか、独自にECサイトを改修するかのどちらかになります。

もし、購入していただくにあたって不要な項目(例えば会社員であるとかの属性)が残っているようであれば、項目そのものの見直しも平行して進めるべきです。こういった属性の情報は顧客を理解することに役立ちますが、離脱されるリスクがある状態の画面で行う必要はないでしょう。

購入後のアンケートなどで補完することができるのであれば、画面を分けてしまった方がいでしょう。 

画面を分けたアンケート機能のイメージはこちらをご覧ください。
ECサイトに最適なアンケート管理機能

ソーシャルログインを実装する

ソーシャルログインとは、LINEやFacebook、twitterなどのSNSのアカウントを利用してサイトにログインする仕組みのことです。入力フォームを簡単にするだけでなく、そもそも持っているSNSアカウントでログインできる仕組みを用意することで会員登録のハードルを下げることができます。ただし、SNSから連携される情報だけでは購入を完了できないことがほとんどです。例えば送付先の住所の情報などはSNSに登録していないこともありますし、twitterなどの場合本名で利用していないケースもあります。

ソーシャルログインを実装することで確かにハードルを下げることはできるのですが、前項で紹介した入力フォームの最適化はソーシャルログインを実装したとしても検討する必要があります。

ソーシャルログインはソーシャルPLUSというツールが有名です。
https://socialplus.jp/

ソーシャルログインについては、こちらの記事にもまとめていますのでご覧ください。
ソーシャルログインとは?仕組みやメリット、注意点を紹介

ユーザの利用したい決済方法を実装する

今ではクレジットカード決済のできないサイトはほとんどありませんが、中には例え有名なブランドであってもその1回の買い物のためにクレジットカード情報を入力するのは面倒と思ってしまうユーザもいるかもしれません。

仮に携帯のキャリア決済や、Amazon Payのような決済方法が用意されていれば、クレジットカード情報を入力する必要がなく、スムーズに買い物することができます。

今回のチョコレートブランドDのケースでは、そのブランドのメインターゲットまでは触れていませんでしたが、仮に若年層をターゲットとしたブランドだった場合、若年層はクレジットカードを保有していない率が他の年代よりも高いため、クレジットカード以外の決済方法を充実させることがCVRの改善の役に立ちます。

一般的なECサイトに用意されている決済方法についてはこちらでまとめておりますので、合わせてご覧ください。
決済機能

サイト内検索の整備

ECサイトに訪れたユーザーは、目的の商品を探すためにサイト内のナビゲーションやカテゴリで回遊するだけでなく、サイト内検索機能を利用するケースも多くあります。特に、購入する商品を既に決めているユーザーや、商品点数が多いECサイトで商品を探すユーザーは、その傾向も顕著です。

ECサイトの検索機能の性能が低いと、ユーザーが目的の商品に辿り着けずにCVRの低下を招いてしまうため、CVRを向上させるためには利便性に優れたサイト内検索機能を実装することも重要です。

ここでは、食品・書籍・家電・アパレル・アクセサリ等幅広いアイテムを取り扱う、商品点数100万以上の実際のECサイト「E店」の事例を交えつつ、サイト内検索機能を具体的に整備する方法についてご紹介していきます。 

類義語・表記揺れ対応

類義語・表記揺れ対応とは、サイト内検索に入力されたワードの多少の誤差を吸収して、適切な結果をリターンする機能です。サイト内検索に実装することで、検索ミスを行ったユーザーに対しても、目的の検索結果を表示することができます。

サイト内検索を活用するユーザーは、必ずしも正しい商品名・カテゴリ名・ブランド名等を入力するとは限りません。打ち間違いによりひらがな・カタカナが混在したり、正式名称を知らずに類似のワードを入力してしまうケースは多くあります。

例えば、以下のようなケースが挙げられます。

表記揺れ
  • 正:窓拭きシート
  • 誤:窓拭きしーと
■類義語
  • どら焼き
  • ドラ焼き
  • どらやき

サイト内検索がピンポイントのワードにしかヒットしない仕様である場合は、このような購入意欲の高いユーザーを取り逃してしまいます。特に、E店のようなサイト内検索を利用するユーザーが多いECサイトにおいては、ユーザーを取り逃す割合や数も非常に多くなるため、無視できない問題です。

ECサイトに訪れるユーザーの誰もがITリテラシーに長けているとは限らないため、CVR向上のためにもユーザーフレンドリーなECサイトにするためにも、ぜひ実装しておきたい機能です。

サジェスト検索

サジェスト検索とは、検索ウィンドウに文字列を入力すると、続く文字列の候補を予測して表示してくれる機能です。サイト内検索にもサジェスト検索機能を搭載することで、ユーザーは検索ワードを入力する労力やストレスを低減することができます。

特に、商品名が長い場合や、正確な商品名の入力が難しい場合においてはサジェスト検索機能による入力アシストが効果を発揮し、CVR向上に寄与してくれます。

Google・Yahoo!といった主要検索エンジンは、サジェスト検索が基本機能として搭載されているため、ECサイトで検索する際にも、サジェストが表示されるのが当たり前と思っているユーザーは多くいます。サジェストが使えないことにより、途中で離脱するケースは少なくないでしょう。

ECサイトにおいても不要な機会損失を防ぐためにも、検索エンジンの利便性・使用感に匹敵するようにサジェスト検索に対応しておくことが重要です。

絞り込み検索

絞り込み検索機能とは、サイト内検索により表示された検索結果ページから、さらに価格・ブランド・カラー・サイズといった条件で分類・絞り込みを行うことができる機能です。

E店のように、膨大な商品点数を誇るECサイトの場合は、ユーザーがサイト内検索機能を利用しても多くの商品がヒットするケースが多々あります。絞り込み検索機能が搭載されていないと、ユーザーは各商品ページを一つひとつ確認しなければならないため、目的の商品を見つけられなかったり途中で離脱したりしてしまうケースが増えるでしょう。

サイト内検索に絞り込み検索を実装することで、ユーザーは商品を見つけやすくなるため、CVRを向上させることができます。サイト内検索機能の整備を考える際には、先にご紹介した機能と併せてぜひ実装しておきたい機能です。

絞り込み検索を実装しても、使い勝手が悪いと離脱を招くケースもあります。そのため、検索結果画面にヒット数を表示して絞り込み実施の可否を判断できるようにしたり、指定条件に該当する件数を事前に表示できるようにしたりといった、ユーザビリティを高める工夫を行うことも重要です。

ECサイトの検索機能についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
サイト内検索の導入のポイントとは?求められる機能について解説

コンテンツのパーソナライズ(レコメンド)

ECサイトは、リアル店舗のウィンドウショッピングのように、なんとなく訪問してくるユーザーも一定の割合で存在します。このようなユーザーは、一般的にサイト内に表示されているコンテンツ・商品を上から順番に眺めていきます。

しかし、人気順・売れている順といった順番でコンテンツ・商品が並んでいると、明確な目的の無いユーザーには刺さらないこともあります。特に、E店のような老若男女の偏りがなく幅広いユーザーが訪れるECサイトでは、その傾向は顕著となります。

何気に訪れたユーザーにもコンテンツ・商品に興味を持ってもらうためには、ユーザーの属性に合わせてコンテンツを表示する「パーソナライズ」が非常に効果的です。

ここでは、CVR改善が期待できるコンテンツのパーソナライズの代表的な3つの方法についてご紹介します。

3rdパーティのデータでコンテンツをパーソナライズする

初めてサイトに訪問したユーザで、会員登録前でもコンテンツのパーソナライズを行うことができます。これは外部の第三者が提供するデータを活用することで実現するのですが、仕組みとしてはブラウザのCookieを活用し、そのCookieに関連している第三者のデータベースから属性情報を連携してもらい、その情報を元にパーソナライズをする、という仕組みになります。ですので、前提としてその3rdパーティのデータが使えるような仕組みを構築する、あるいはそういった3rdパーティデータを使ったパーソナライズを実現することのできるサービスを導入することが必要となります。

どのような情報が連携されてくるかは、どの3rdパーティのデータを活用するかによって異なるのですが、性別や趣味・嗜好、世帯年収などの情報を受け取ることもできます。この仕組みを活用することで、初回訪問のユーザであってもコンテンツをパーソナライズすることができます。

アクセス元情報でパーソナライズする

例えば、「家電 格安」といったようなキーワードでGoogle検索して総合通販サイトEに訪れたユーザがいたとします。仮に季節が冬だったとしましょう。このとき、TOPページに表示されるべきなのは「数量限定!訳あり タラバガニ 2kg」ではなく、「冬を快適に過ごす あたたか暖房家電特集」であるべきなのです。全ての検索でこのように訪問したユーザが検索に使用したキーワードがわかるわけではありませんが、検索キーワードを取得できる場合、このようなパーソナライズを行うことが可能です。

また、検索結果からではなく、表示される検索連動型広告経由であれば、設定したキーワードに応じてコンテンツを出し分けることもできるので、広告パフォーマンスを上げるという観点でも役に立ちます。

また、広告キャンペーンを行っているのであれば、どのキャンペーン経由からのアクセスなのかの情報を活用してコンテンツを出し分けることもできます。転換率の観点においては、広告の内容に応じたランディングページを用意した方が理想的ではありますが、その準備ができないのであれば、せめて1stビューに表示されるコンテンツをキャンペーンの内容に変更できるようにすべきでしょう。

広告キャンペーンに限らず、遷移元のサイトに応じてコンテンツを出し分けることも可能です。

サイト内の行動でパーソナライズする

総合通販サイトEに10回訪問したことがあるが、まだ1度も買い物をしたことがないユーザがいたとします。なぜ10回も訪問しているのに、1度も買い物をしたことがないのか本当の理由は直接聞いてみないことにはわかりませんが、何かに引っかかって購入まで至っていないと考えるのが自然でしょう。

もしそのユーザがとあるブランドのバッグの商品詳細ページを何度も訪れ、長い時間閲覧していたとします。そのブランドのバッグが欲しいのは明白です。ではなぜ購入に至らないのかを考えると、「格安のサイトだから本物かどうか不安」「もうちょっとだけ安ければすぐ買いたい」といったような理由があるのではと想像できます。

仮に前者のような不安を持っているユーザに購入してもらうには、本物である、安心して大丈夫、といった後押しをする必要があります。その商品商材ページで最初から表現できていればそのような不安を抱かせることもないのかもしれませんが、少なくともこのユーザは商品詳細の情報だけでは不安を解消できていないのです。このとき、ポップアップなどで「Eの安さの秘密」であったり、「本物保証」といったような、なぜ安いかの透明性であったり、品質や偽物を仕入れないための努力を表現するようなコンテンツのバナーを表示し、そのページに誘導してあげることで、不安を解消し購入につなげることが期待できます。

もし本物かどうかを気にしているのではなく、「もう少し安くなれば」と考えている場合にはクーポンを表示することが有効でしょう。クーポンの施策は利益率を落とす諸刃の剣ではあるので、あまり多用すべき施策ではありませんが、誰彼にばら撒くのではなく、後ひと押しで購入してくれそうなユーザにだけプライベートオファーとして表示させるのであれば、効果を最大化することが期待できます。

またこのようの購入の後押しとしてコンテンツのパーソナライズを行うだけでなく、特定のブランドの商品を複数見ているようであればブランドの特集ページを案内したりするなど、閲覧ページとマッチするコンテンツをパーソナライズすることで、サイト内の回遊性が改善し、結果としてCVRの向上が期待できます。

こういったパーソナルオファーはWeb接客ツールというもので実現することができます。Web接客ツールについてはこちらのページでご紹介しています。
スマホEC向け販促&Web接客ツール

購入履歴や登録された会員属性に応じてコンテンツをパーソナライズする

前項までは初めてサイトに訪問したユーザや、まだ商品を購入したことのないユーザに対しても実施できるパーソナライズでしたが、実際に購入してもらった商品の情報や登録された会員情報を活用したパーソナライズも欠かすことはできません。ただし、購入データがあったとしてもそれをどのようなアルゴリズムでパーソナライズ、レコメンドに活用するか、PDCAサイクルを回して改善を続けることが重要です。

確かにただのアクセス分析よりも実際の購入データの方が価値あるように思えるのですが、1週間前にエアコンを買った人にエアコンをレコメンドしたところで、買ってくれるとはあまり思えません。一方で、有名な例ですが「おむつの横にビールを並べたら売上が伸びた」のように、一見関係がなさそうな商品でも近くに並べることで売上が伸びることもあります。ジーンズの商品詳細の下にオススメ商品として並べるべきなのは、他のジーンズではなく白いTシャツなのかもしれませんし、白いスニーカーなのかもしれません。

ただ、ここでポイントになるのは「一緒に買われる商品」を表示することと、「その人が好きそうな商品」を表示することは、だいぶ目的が違います。前者の「一緒に買われる商品」を表示することは、この後に紹介する「客単価を上げるための施策」と言えます。一方後者の「その人が好きそうな商品」を表示することは、「まずコンバージョンさせるための施策」と言えます。それでも一緒に買われている商品ということは、この商品を好きな可能性も高いと言えますので、結果として同じアルゴリズムで表示させる場合もあるかもしれません。ですが、このようにどういう目的でパーソナライズするのかを考えることなしに、単純なレコメンドをしてしまうとエアコンを買った人にエアコンをレコメンドする、といったようなことにつながってしまいます。

パーソナライズも仕組みを入れて終わりというものではなく、PDCAを回しながら改善を続けていくことが重要です。

当社のグループ会社でEC向けマーケティングソリューションを提供しているナビプラスがレコメンド活用に関する記事をまとめていますので、こちらもご覧ください
ECサイトの鉄板施策「レコメンド」とは?
レコメンドのおすすめ表示ページとロジックをご紹介
商品詳細到達率を上げる「レコメンド」枠の活用レシピ

【ポイント3】客単価を上げる

ECサイト売上拡大ポイント3.客単価を上げる

ECサイトで売上を上げることはもちろん、販売効率や利益率向上においても重要な施策が、客単価アップです。客単価を上げることで、同じ集客数やCVRでもより多くの売上を上げることができます。

客単価とは、1人の顧客が一度の購買で購入した金額の合計のことです。客単価をアップさせるには、「1商品当たりの価格を上げる」「1購入あたりの個数を上げる」という2つの方法があります。売れ行きに繋がる商品価格は安易に上げることは難しいため、実際には後者の1購入あたりの個数を上げる方法がメインの施策となってきます。

ここでは、「青汁メーカーF」「家電サイトG」という2つの事例を交えつつ、客単価アップのための施策をご紹介していきます。

アップセルによる客単価アップ

アップセルとは、現在ユーザーが購入しようとしている商品よりもグレードの高い商品・サービスを提案して、より価格の高い商品の販売を行うことです。例えば、ファーストフード店で「プラス100円でLサイズに変更できます」といった声掛けを行うことなどは、典型的なアップセルと言えるでしょう。

ECサイトにおいては、商品ページにグレードの高い関連商品のリンクを表示したり、ショッピングカートでの決済時におすすめ商品を表示したりといった方法で、ユーザーにグレードの高い商品を提案するケースが多く見られます。

アップセルを行うにあたって重要なポイントは、「価格が高くなっても購入する理由」を用意することです。上記のファーストフード店の例では、「プラス100円で○○グラム増量」といったように、顧客が具体的に得られるお得感・メリットなどを強調することがポイントとなります。

また、継続的な購入が期待できる健康食品・化粧品等においては、通常購入を行った顧客に対して定期購入をおすすめすることもアップセルの一種と言えます。

青汁メーカーFでは、健康食品である青汁をいかに定期購入してもらってLTVを向上させるかが、売上向上・売上安定化の鍵です。Fでは一般的な青汁だけでなくより栄養素の充実した青汁や健康食品も取り扱っており、定期購入の期間も複数用意されています。

青汁メーカーFのアップセル施策は、青汁購入者により優れた商品を提案することや、通常購入から定期購入への移行、定期購入の長期化が現実的な施策と言えるでしょう。

クロスセルによる客単価アップ

クロスセルとは、特定の商品の購入を検討している顧客や購入を決定した顧客に対して、関連性の高い商品を提案して購入を促すことを言います。いわゆる「合わせ買い狙い」がクロスセルに該当します。関連商品は提案方法を間違えなければ販売に結び付きやすく、客単価・購入単価を上げるために非常に効果的な手法であることから、あらゆる業界・業種のビジネスで活用されています。

クロスセルを効果的に活用するポイントは、「いかに顧客が合わせ買いをしてくれる商品を提案するか」という点です。例えば、商品ラインナップの充実度が自慢の家電ECサイトGでは、家電を購入した顧客に対してオプション品・メンテナンス品をレコメンドすることが現実的なクロスセルとなるでしょう。

家電ECサイトGの事例のように分かりやすい関連商品を感覚的に導き出せない場合は、アクセス解析やCRM(顧客情報管理ツール)等を活用して、データを基に導き出した関連商品をレコメンドすることがおすすめです。

また、クロスセルは提案するタイミングも重要となります。アップセルとは異なり商品購入前ではなく、既に特定の商品の購入を決定した後の方が販売に結び付きやすいため、顧客が商品をカートに入れた直後に関連商品をレコメンドするのがおすすめのタイミングとなります。

【ポイント4】リピート率を上げる

ECサイト売上拡大のポイント4.リピート率を上げる

ECサイトで売上を拡大するには、新規顧客獲得と同等もしくはそれ以上にリピート率を上げることが重要です。リピート率が高まると、新規顧客獲得コストを低減できるため利益率が高まり、LTV(生涯顧客価値)が向上して安定した売上を確保できるためです。

一説には、新規顧客獲得はリピート獲得の5倍のコストが必要とされているため、リピート率向上によって得られる恩恵は非常に大きなものとなります。近年ではECサイト間の競争激化により新規顧客獲得の難易度やコストが高まっているため、自社に安定して収益をもたらしてくれるリピート顧客の重要性は以前にも増して高まっています。

リピート率を上げるには、自社ECサイトのファンになってもらえるように、顧客満足度を高める施策やECサイトの価値・魅力を高める施策が必要です。以下に、リピーター確保が特に重要となるアパレル業界のECサイト「ファストファッションブランドH」の事例を基に、リピート率向上の具体的な施策をご紹介していきます。

メールやチャットでのパーソナライズされたオファーによるリピート購入促進

ファストファッションブランドHは、ベーシックで上質なカジュアルウェアをリーズナブルな価格で販売していることが魅力のアパレル企業です。実店舗を全国展開するとともに、ECサイトでの販売にも尽力して販売数を伸ばしています。

Hのようなファストファッションブランドは、商品価格が安価であるため客単価が低く、集客コストが嵩むと利益の確保が難しい実情があります。競合となるブランドも多いため、売上を上げて利益を確保するためには、集客コストが低いリピート率アップをいかに実現するかが肝です。

ファストファッションブランドHが実施したリピート率アップの施策は、「パーソナライズされたオファー」です。一般的なリピート施策は顧客全体にメルマガ・DM・SNS等でオファーを行いますが、Hは顧客の属性・傾向・行動履歴・購買履歴といったデータを基に、顧客一人ひとりに合わせたオファーを実施。顧客にマッチした提案を行うことで、高いリピート率と顧客満足度向上を実現しています。

近年では、販売チャネルの充実やデジタルツールの充実により、高度なマーケティング施策を実施できる環境が整っています。テクノロジーを活用して一手間かけた施策を行うことで、どのEC事業者もリピート率アップを図ることは十分に可能です。

まとめ

ECサイトで売上を拡大する施策と一言に言っても、集客・単価アップ・CVRアップ・リピート率アップなどさまざまな施策があることが分かりました。

売上拡大の戦略・施策を実施する際には、まずは自社ECサイトの分析を行い、売上を構成するどの要素を改善すれば良いかを把握することが先決です。伸び悩んでいる部分に対して的確な施策を施すことで、着実に成果に繋げることができるでしょう。

ECサイトで売上拡大のための施策を実施するには、ECパッケージの性能や搭載されている機能も重要です。自社に合ったECパッケージを活用することで、スムーズに施策を実施してECサイトを最適化することができます。

弊社では、数多くの複雑な要件が求められる大規模ECサイトの構築も可能なECパッケージの提供とともに、ECサイトの売上拡大に役立つ資料も無料で公開しています。

以下よりダウンロードできるため、ECサイトの売上拡大を目指したい方は、ぜひご活用下さい。

公開日:2021年11月16日  最終更新日:2024年8月21日


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