平均法は仕入れた商品の原価を平準化して仕入れ原価を算定する方法ですが、移動平均法は期末に一括して計算を行う総平均法とは異なり、売り上げごとに毎回仕入れ原価の算定を行うことが特徴となっています。
例えば最初に商品を単価100円で100個仕入れて、次に単価200円で100個仕入れたとします。この時点で商品100個を売り上げた場合には、仕入れの平均単価は(100円×100個+200円×100個)÷(100個+100個)=150円となります。その後商品を単価300円で100個を仕入れて、さらに50個を売り上げた場合には、期末商品の平均単価は(150円×100個+300円×100個)÷(100個+100個)=225円となり、期末における在庫の評価額は単価225円×(300個-100個-50個)=33,750円と算定されます。
移動平均法は会計期間の中途では仕入れ原価が判明しないという、総平均法の欠点を改善した評価方法です。一方で売上ごとに毎回仕入れ原価を算定する必要があるため、売上の機会が多いと計算が煩雑になります。それぞれの計算方法には一長一短がありますので、運営するECサイトに合わせた計算方法を選ぶようにしましょう。