導入事例|株式会社虎の穴 様

大規模EC構築の様々なニーズに、高度な柔軟性と開発生産性で対応


株式会社虎の穴
座談会参加者:右から
株式会社システムインテグレータ ECオムニチャネル事業部 開発部 リーダー 齋藤 春志
株式会社システムインテグレータ ECオムニチャネル事業部 開発部 スペシャリスト 早川 友浩
株式会社虎の穴 通信販売課 課長 成川 雄大 様

株式会社虎の穴様(以下虎の穴様)は同人誌をはじめ、各種コミックやフィギュアなど10万点超を扱う「とらのあな通信販売」を運営されています。虎の穴様では「とらのあな通信販売」のシステム改修に際し、多様なニーズに対応できる柔軟性やオムニチャネル対応の必要性から、『SI Web Shopping』を導入いただきました。『SI Web Shopping』を採用した理由を虎の穴様のご担当者にお話を伺いました。(取材日:2018/7/10)。

競合の追随を許さない充実のラインナップを武器に躍進する「とらのあな通信販売」のシステムを抜本的に改変

成川

当社のECサイトは、10年以上も前にフルスクラッチで構築したシステムを使っていましたが、ここへ来て、機能的な不足も課題となり、抜本的なシステム改変の必要に迫られていました。基幹システムを含む大掛かりなシステム改修プロジェクトであったために、慎重を期してECサイトを構築出来る会社を15社ほど比較検討しました。

最終的にシステムインテグレータさんに決めたポイントは、当社が希望するカスタマイズ要求に柔軟に対応できる点と、将来的には機能の追加改修を内製化させたいという当初の希望にも協力していただける点でした。

当社が運営する「とらのあな通信販売」は在庫がない取り扱いアイテム数を含めると300万点超という規模ですし、売上規模もかなり大きなものなので、システム会社を切り替えるにしても、技術力・開発力もさることながら、やはりこれだけの大規模ECにきちんと対応していただける企業としての信頼性・安定性も重要な選定ポイントでした。

フルスクラッチでの開発も選択肢としてはありました。しかしECの世界はシステム的にも進化が早く、将来的なことを考えると、しっかりとしたベースのシステムがありながらも、カスタマイズにも柔軟に対応でき、将来的な拡張性についても対応力のあることが絶対条件でした。それらすべての条件に高い水準で対応してくれるのがシステムインテグレータさんの『SI Web Shopping』だったのです。

 

独自の機能性実装など、高いハードルも柔軟にクリアした『SI Web Shopping』

株式会社虎の穴01

早川

お話をいただいた時には、ECとしての規模の大きさもさることながら、様々な機能要求もあって、正直に言えば"大変そうだな"という印象を持ちました(笑)。

ただ、当社としても大規模ECの構築については多数の実績と、蓄積されたノウハウもありました。また何よりも、『SI Web Shopping』自体が、よくあるEC構築のパッケージとは違って、ECに求められるセキュリティなどベース部分はきちんと担保しながらも、それ以外の機能については、なんらの制約なく、クライアント様の要望を実現し得る可変性の高いシステムなのです。

そのため、パッケージがもつ開発スピードの速さとコスト抑制が可能だというメリットを享受しながら、フルスクラッチに近い機能の拡張性をもっているという点が、ニーズに合致したのではないかと考えています。

齋藤

しかし、苦労した部分もあります。例えば、「おまとめ配送」というサービスがあります。日をまたいだ注文であっても、それら複数の注文をひとつにまとめて発送するというものなのですが、これは他のECにはない機能です。こうしたオリジナリティの高い機能については、とても苦心しました。

また、オムニチャネル展開についても、ECサイトでの注文において、商品の受け取り先(配送先)として、実店舗を選択することができるというサービスがあります。店舗を受け取り場所に指定すると、お客様のマイページに受け取り用のバーコードが表示され、それを使って店頭での受け取りが可能になるというものです。また、ヤマト運輸の営業所止めを指定することもできます。

こうしたECと実店舗の垣根を超えたオムニチャネルのサービス開発についても、ご要望に沿うべく、最大限の努力をしました。

 

リニューアル・オープンは通過点。ユーザーの要望を迅速に反映したさらなるブラッシュアップへ邁進

株式会社虎の穴

成川

システム改修のプロジェクト自体は、2016年9月に社内で立ち上がり、システムインテグレータさんと開発プロジェクトがスタートしたのは2017年4月のことでした。リニューアル・サイトのオープンは2018年6月ですから、わずか1年ほどで進めたことになります。

今回のプロジェクトは、ECシステムだけではなく、会計システムや物流システムなどを含む複数のシステムの刷新だったので、各種のシステムを担当するシステム会社さん同士の連携も不可欠で、その点でもシステムインテグレータさんには強力にバックアップしていただきました。

いったんは、この6月にリニューアル・オープンとなりましたが、より使いやすく、よりユーザーオリエンテッドなサイトにするためには、もっともっと機能を追加していく予定です。また、すでにユーザーの方々から、様々なご意見・ご要望もいただいています。そうしたご要望等にも迅速に対応していく必要があります。システムインテグレータさんとは、今後も二人三脚でさらなるブラッシュアップを進めていきたいと思っています。

早川

今回のプロジェクト推進にあたっては、虎の穴の担当エンジニアの方を当社にお迎えして、弊社のプロジェクトチームの一員としてシステム開発を進めました。将来的にシステム改修を内製化するための人材育成を目的としたものです。こうした取り組みが可能である点も当社の強みのひとつであると自負しています。

システムの運用や改修について、ずっと外部に委託し続けるということは、費用もずっとかかってしまうことを意味します。ですから、内製化できる部分はどんどん内製化していただくことで、EC事業者の収益力の改善に寄与することも重要であると当社では考えています。

内製化は多くの開発要員が必要となるので、どのEC事業者でも体制構築が簡単なことではありませんが、その素地のあるEC事業者に対して、そうした支援をしていくことも、当社の重要な役割です。これからも、密接な関係性を保ちながら、虎の穴様の成長に貢献していきたいと思っています。

株式会社虎の穴